2019.3.13

【2019年3月号(抜粋)】今年の公立中高一貫校適性検査速報会は、全会場が大盛況でした

2月3日は都立中高一貫校の適性検査の試験日、多くの受検生たちが緊張した面持ちで会場に姿を見せます。今年は日曜日だったこともあり、他学年の子たちも見学などに足を運んでいました。

都立中学10校による適性検査問題の共同作成もすっかり定着しました。変更点といえば、今年は両国が適性Ⅰを独自作成から共同作成問題へと切り替えました。

その適性Ⅰですが、共通問題では「ひかるさんと友だちとのやり取りを読んだ上で、ひかるさんが友だちに示したと思われる考え」を書く問題でした。1つ目の文章が会話文だったこともあり、傾向が大きく変わったと感じた受検生も多かったとは思いますが、問われ方こそ変化球であったものの、実は大きなちがいはありません。むしろこれまでと読解・作文の配点が変わったことの方が大きな変化だったと思われます。これまでの読解40点+作文60点が、読解30点+作文70点と、より作文重視の配点になりました。2文あわせて3900字程度と、例年より文字数の多い文章ですが、会話文ということもあり、比較的スムーズに読むことができたのではないでしょうか。白鷗は2文合計で2300字ほど、例年よりもかなり少ない印象です。読解問題は100字程度の記述2問、作文は400字〜450字と、一般的な問題だったと思います。

適性Ⅱも共通問題ではお決まりの大問3題、小問9題の構成ですが、大問1の算数の問題において3年連続で図形の問題が出ていたことに受検生は面食らったかもしれません。図形の問題もすっかり定番になってきているように感じます。大問2は社会の問題ですが、例年通りのオーソドックスな資料分析問題だったと思います。大問3の理科の問題も実験・観察を基軸にした問題で、今年は「紙の繊維の方向やのり」がテーマでしたが、昨年同様に手を付けやすかったと思います。また、解答用紙には裏面も記述欄があります。その点も含めて落ち着いて問題に臨めるようになってほしいものです。

なお、小石川は適性Ⅱの大問2を差し替えています。例年のように畳みかけるほどの計算問題で、小石川を目指す場合は速さと正確さはマストアイテムといえそうです。適性Ⅲは各校独自問題となります。両国では一昨年から算数2題構成にかわりましたが、今年は1問だけ申し訳程度に理科に関する出題もありました。大問1は今年も小問集合的な問題でした。(問題3)のみができなくてもよいのではないかと思います。大問2では暗号作成をベースにした問題が出されました。一昨年の難問からは想像できないような難しさのない問題ですが、受検生はかなり面倒だと感じたのではないかと思います。

対して小石川は例年通りの理科(ある事象に対して自分の想定を検証するための実験と結果を予想する)、算数(立体を含む図形問題)の出題でした。5割を超えることが第一の目標ではないかと思います。

白鷗は昨年から適性Ⅲを導入しました。昨年同様に算数の2題構成ですが、決してやさしいとは言えない問題が続きます。ただし出題としてはオーソドックスな話題の問題だったと思います。
九段は都立10校とは異なる作成になります。

適性Ⅰでは2題構成で設問が10問と急増しました。作文は例年同様200字強です。適性2は資料系+算数といった大問3題構成、適性3が理科・算数系問題と、2、3をあわせて算数・理科・社会に関する問題が出されるいつも通りの形式です。ただし、今年の問題は、設問ごとの関連性が低く、問題量も例年より少なめで、手を付けやすい問題だったと思います。また、採点の簡略化を狙ってか、穴埋め問題が多いのも特徴の1つです。

これを書いている時点ですでに来年の問題を想定して動き出しています。問題の傾向を考えながら教材の微調整もしています。皆さんはこれから1年かけて、しっかりとした力をつけていきましょう。

機関紙2019年3月号(抜粋)

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