2020.2.13
【2020年2月号巻頭(抜粋)】読解力に磨きをかける早友学院の教育プログラム
新年早々にせちがらい話ですが、OECDの『学習到達度調査』によると、世界の15歳を対象にした「学習到達度調査」で、日本は「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」は世界トップレベルを維持しましたが、「読解力」は前回の8位から15位と大きく後退したとのことです。
読解力は英語で“Reading Literacy”と表現されますが、少し前の学校教育の現場では単純に、文章を詳細に読み解く能力を指す言葉でした。しかし、近年では読解力の定義も変わり、『自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、使用し、熟考する能力』と設定されるようになりました。
あまり力まずにいえば、読解力とは『目的や場面などに応じて的確に内容を読み取り、その内容を利用、熟考する能力』と理解してよいでしょう。
おりしも今年の公立中高一貫校の入試が終わったばかりですが、こうした上昇志向の高い教育現場では、テキストを読み、正しく理解できる力、テキストの意味を熟考できる力、テキストに基づいて自分の意見を論じられる力が検査されているようです。大人でも音を上げそうな要求ですが、小学校6年の受験生はこうした難しい入試にチャレンジしたわけです。ご家庭では、合否の結果にかかわらず、子ども達のその努力をぜひ労(ねぎら)ってあげてください。
ご承知でしょうが、以上のように意欲的な読解力が求められる背景には日本のみならず先進国の経済界の人材に寄せる期待があります。OECDとはOrganisation for Economic Cooperation and Development(経済協力開発機構)の略称ですから、こうした経済界の意向を具体的に反映する調査を数多く行っているわけです。
早友学院でもこうした読み解く力の育成に工夫を凝らした教育プログラムを展開しています。具体的には「音読する」「線を引きながら読む」といったことからスタートし、「筆者の意見を要約する」「文章を別の言葉に置き換えて表現する」ことを通し、最終的には「説得力のある意見を表現する」ところまで受験対応のトレーニングしています。なお、添削指導等では、ご家庭の協力が不可欠ですので、ご協力お願いいたします。
さて、一足早く新学期が開始となる早友学院ですが、ただ一言付け加えておきたいことは、OECDの教育調査に関して一喜一憂する必要はないということです。ちなみに、OECDの教育調査については、各国の教育者の相当多数から、経済的視点に偏りすぎているという厳しい批判もでています。いうまでもなく、お子さんの読解力はあくまでも、ご家庭の求めるリテラシーに沿ったものが一番大切です。