2020.10.28
【2020年11月号巻頭(抜粋)】笑顔で学習できる環境づくりを協力して築き上げていきましょう
公立の小学校や中学校は、進学塾のように受験に特化した授業をするわけではなく、よき社会人になるための人間教育を教科学習と絡めて行う教育の場です。そのため、受験には無用のように思われますが、人間形成も重要な教育課題であり、子どもにとっては様々な学校行事も大切な取り組みとなります。特に2学期は社会科見学や体育祭、学芸会など、時間をかけて取り組む行事があり、受験勉強が疎かになるのではと考える人も多いでしょう。そこで受験生の心得として大切になるのは、各種行事のあわただしい取り組みに翻弄され、これまでに培ってきた学習習慣から遠ざかってしまわないことです。ご存じのように、習慣づけるということはコツコツ続けるということです。運動選手の走り込みや筋力トレーニングと同様で、1日でもさぼれば身体能力の劣化につながります。「継続は力なり」という言葉がありますが、まさにこのことを戒めた信念の言葉です。学校と塾ではその目的が異なりますが、受験生はどちらも大切にし、生活リズムを崩さずに積み上げてきた学習習慣を継続していきましょう。
これからの季節、夏から初秋にかけて悩まされた猛暑とは反対に日を追って寒気に悩まされる季節となります。寒い季節には、風邪・インフルエンザの流行や肺炎等の疾病が受験勉強の大敵となります。また今年はCOVID-19の流行もあり、例年以上に体調管理が大切になります。秋から冬に向けては入試への緊張感が日増しに強くなるため、子どもたちの健康管理にはご家庭のサポートが欠かせません。インフルエンザの予防接種や外出時のマスク着用、手洗いや身の回りの消毒、人混みを避ける、就寝時の加湿器の活用など抜かりない対策をお願いします。
また、2学期は各志望校の学校説明会が実施されます。COVID-19の影響もあり、Webでの学校説明会が増え、自宅にいながら学校説明を聞くことができます。志望校の学校説明会にはできる限り参加し、また自分の志望する学校がどのようなところかを実感し、自分の志望校が『本当に自分に適しているかどうか』などの見極めも大事です。受験へのモチベーションが高まるように導きましょう。長丁場の受験学習では、スランプに陥ることは誰にでも起こりうることです。そのような雰囲気・傾向が見受けられた際は、教室の先生に相談し、スランプを脱出するためのヒントや無理のない学習計画のアドバイスをもらいましょう。
最後になりますが、今月は、小学生は全国統一小学生テストや第4回公開模試、中学生はVもぎといった公開模試が実施されます。模試は自分の学力チェックの機会です。結果に一喜一憂せず、自分の弱点を発見するツールとして活用しましょう。試験日は日々近づいていますが、努力の質で心のゆとりも生まれます。切羽詰まった気持ちにならずに、笑顔で学習できる環境づくりをご家庭、学院とともに協力して築き上げていきましょう。